4つのマスのうち、光ったマスをできるだけ速く押すだけ。
練習4問のあと本番56問。最後に、この56問で起きていたことをお見せします。所要45秒ほどです。
光ったマスを押すだけ。覚えることは何もありません。ただし光る場所の順番は、8個の並びがずっと繰り返されています。途中でその並びを崩したとき、あなたの指が何ミリ秒つまずくかを出します。
身につく知識には、言葉にして説明できるものと、できないものがあります。この課題で起きるのは後者です。同じ8個の並びを繰り返し押していると、次にどこが光るかを言えないまま、押す速さだけが上がっていきます。ただ慣れただけに見えますが、慣れだけなら並びを崩しても速さは変わらないはずです。実際には崩したとたんに遅くなり、元の並びへ戻すとまた速くなります。つまり手が覚えているのは回数ではなく順番のほうです。1987年にニッセンとブレメルが報告した課題で、あとから繰り返しの有無を聞かれても気づいていないと答える人が多いのに、速さの差だけははっきり出る、という形で知られています。このゲームでは、崩すほうの並びの中身をそろえてあります。8個のうち各マスがちょうど2回ずつ光ることも、指の移動距離の内訳が1マス隣3回・2マス隣4回・3マス隣1回であることも、元の並びとまったく同じです。違うのは順番だけなので、遅れが出たとすれば、それは指がどこへ動くかではなく、次にどこが来るかの分です。最後に元の並びへ戻す8問を置いてあるのも同じ理由で、そこで速さが戻れば、崩したところの遅れは後半の疲れではありません。
この数字に世の中の平均はありません。ここでの目安は、0〜30msなら差として読めない範囲、80msを超えると並びの効果がはっきり出ている範囲、150msを超えるとかなり大きい、という区切りです。各区間は8問から16問しかないので、1回の結果はかなりぶれます。差が出なかった場合も、8個の並びを4回しか繰り返していないためで、珍しいことではありません。